【2017年最新版】フィリピン・テロ情報 フィリピンで今一体何が起こってるの?

2017.07.25

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追加情報(2017年11月更新)
2017年10月17日、ドゥテルテ大統領はマラウィは「テロリストの影響から解放された」と宣言しました
・その翌日、国防長官からも終結宣言がなされ、本地域での作戦が終了したことを明らかにしました。
・10月16日マウテグループのリーダーであるオマール・マウテは、アブサヤフのリーダーのイスニロン・ハピロンと一緒に、国軍によって射殺されました。
・また、オマール・マウテの妻(インドネシア人)も、6人の子供とともに逮捕されました。
・この戦闘による人的被害は、以下のとおりです。
民間人87名 死亡(うち40人は病死)
◯政府軍兵士165名 死亡 (うち12人は同士撃ちによるもの)
◯過激派974名 死亡
・マラウィ市の主要戦闘地域における治安維持軍による爆弾除去作業は、2018年4月までかかる見込みだということです。
・ミンダナオ地域に出されていた戒厳令の期限は、2017年12月31日まででしたが、来年の2018年12月31日まで延長することが決定しました。
・マラウイ市での戦闘は終了しましたが、未だこれらのテログループに呼応するグループがフィリピン国内にも存在しており、今回の制圧の反撃にでる可能性も示唆されています。
・今後どの地域でどのようなテロが起こるかは予測が難しいため、クリスマスや大きなお祭りなど、人が多く集まる場所には近づかないなど、引続き警戒の気持ちは常に持つように心がけてください

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南の楽園フィリピンで2017年5月に突然始まった、テロリストによる町の占拠と、戒厳令。

このニュースは、フィリピンに住む私たち在住者はもとより、観光客、留学生、また日本で住むフィリピンに全く縁の無い方にいたるまで、世界中を震撼させました。それから2ヶ月たった今でも、この町の占拠は続き、避難を余儀なくされている市民、人質として捕らえられた方の疲労もピークに達していることだと思い、心が痛みます。一刻も早い解決を心から祈っています。

それでは、一体なぜ今フィリピンのミンダナオ島で、このような事件が起こっているのでしょう。

そして、フィリピン留学や、フィリピン旅行への影響はあるのでしょうか?

現在得られる情報を探り、速報としてまとめてみました。

マラウイでのテロリストの動きについて

20170725_001出展:http://www.rappler.com
まず最初に、今一体この地域で何が起こっているのか、ということについて。

ざっくり簡単に説明しますと、元々ミンダナオ島のこの地域で活動していた「アブサヤフ」というテロリストグループが、東南アジア地域に活動拠点を作りたいIS(イスラム国)の呼びかけに呼応して、突然自分達もISグループを名乗りだしたのが数年前2014年頃の話。

そこから、リゾート施設の襲撃&誘拐事件や爆破未遂事件など、小さい事件がちょこちょこあり・・・
そしてこの度、ミンダナオ島南ラナオ州都マラウィ市の町を大勢の市民を人質にして制圧しました。

_96223560_philippines_624_ws出展:http://www.bbc.com/japanese/40169304

アメリカをはじめとする各国からの援助も受け、特殊部隊による掃討作戦が実施されましたが、大量の地元住民を人質=人間の盾として配置しているため、空爆による一掃作戦に出にくく、大変な苦戦を強いられています。

そんな中、現地で勢力を拡大していた元警察官のリーダーによって指揮される麻薬組織「マウテグループ」がアブサヤフ側に便乗したことによって、情勢は一層複雑化。当初「数日」でテロリストを殲滅すると宣言していたドゥテルテ大統領でしたが、「任期中」に下方修正しました。それほど状況は泥沼化しています。

テロリストたちは、高台や3階建以上の高い建物に狙撃兵を配置、逃げようとする市民を常に見張り、逃げようとする市民の殺害を続けています。これらのテロリストグループには複数の外国人も合流しており、89人の外国人(28人のインドネシア人、26人のパキスタン人、21人のマレイシア人、4人のアラブ人、3人のバングラデッシュ人、1人のインド系シンガポール人、1人のシンガポール人、5人が国籍不明)が確認されているそうです。この外国人IS構成員が中東式の火あぶりや斬首ビデオを撮影して公開という、本来フィリピンにはあまり見られなかった大変残虐な処刑を持ち込み始め、世間の注目を浴びることになりました。

速報、現在どうなってきているのか?

20170725_002出展:https://foreign.kachon.com
最新情報によると、マウテグループは内部から組織幹部のリーダーシップについて反発の声があがっており、国軍への投降や逃亡を企てたりするグループ組織のメンバーもいるそうで、そういった謀反を企てたものへの処刑も行われているということです、要は仲間割れですね。また弾薬類が欠乏しているという情報もあるそうで、確実に組織の防御力は弱ってきているということでした。組織が弱体化した今や、人質にしている市民を戦闘員として見張りに配属したりして、逃亡を企てる者や、国軍を攻撃しろと要求しているそうです。

6月14日現在、12バランガイ(地方自治区)の内まだ4バランガイが200人のマウテ・グループの手中にあるということです。
この事件での犠牲者の数はどんどん増えており、7月1日現在、このマラウイ地域での死者数だけでも、市民44人、兵士82人、テロリスト303人の計429人とGMA NEWSで報道されています。(一時は市民2000人が犠牲にというデマ情報も出回ったようです)

今後のテロリストの動きについて

20170725_003出展:http://cnnphilippines.com
いくらドゥテルテ大統領がテロリスト撲滅を掲げて、敢闘したとしても、テロリストが全滅することは無いでしょう。なぜなら彼らは形勢が悪くなったら、そこら中に兵力を拡散し、市民に紛れ込んでゲリラ戦を続けると見られているからです。強硬派で知られるドゥテルテ大統領が力でねじ伏せようとしても、テロリストの殲滅は難しいという見方が強まっています。

ドゥテルテ大統領はマウテグループやアブサヤフとの交渉は一切しないと断言しています。一旦は交渉のシナリオを用意していたとの報道もあったようですが、突然予告なく中止になったということです。もうこういう過激派グループは徹底的に潰すという覚悟を決めているようですね。

ところが一方で7月18日には、穏健派ムスリム団体であるモロ・イスラーム解放戦線(MILF)との交渉により、2014年アキノ大統領時代に大統領退陣とともに立ち消えになっていたバンサモロ基本法の法案を改めて議会で審議し、停戦と引き換えにムスリムの自治権を認める合意を表明しました。

大統領は、今回のムスリムの自治権を認めるバンサモロ基本法を「解毒剤」と表現しているそうです。

これはフィリピン国内全体の約2割のムスリム社会の中で、マウテグループやアブサヤフなどの過激テログループを孤立させて、テロを内部から押さえ込もうという作戦のようです。元々フィリピンにはバランガイという地方自治の最小単位がありますが、このバランガイから地域の繋がりをこのバンサモロ基本法によってより一層強化し、地域で協力してテロリストを締め出そうという方針です。

これは「力押しだけでないテロ対策」として大変評価されるもので、効果を期待したいところではあります。バンサモロ基本法が可決され、MILFが上手にムスリム団体をまとめ上げることができれば、成果をあげることでしょう、ただしこれらの方針がムスリム団体の反感を買って、MILF側でなくマウテやアブサヤフといった過激派側についてしまった場合、出口の見えない泥沼にはまっていくことになるかもしれません。

 

ところでこのテロ問題、フィリピン留学への影響は?

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これが、現在ミンダナオ島をメイン舞台にして繰り広げられている、テロリストとフィリピン政府の戦いです。

ISが入って来たことで大変な騒ぎになっているこの事件ですが、実はミンダナオ島には1946年の独立以来、共産主義勢力による反政府活動やイスラム組織による分離独立運動が続いているのです。結果的にミンダナオ島は先述のモロ・イスラーム解放戦線やアブサヤフグループなどといったテロリストの拠点となり、一部西部地域では誘拐やテロ事件など大変危険なエリアとして認知されており、外務省の危険情報でもレベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)が出続けていました。

こんな状況にありながら、お隣のセブ島をはじめ留学で有名なバギオやクラークといったエリアでは、2001年のアメリカ同時多発テロ以来、テロが起こった事はありません。外務省の危険情報でもレベル1:注意してください。しか出ていません。むしろ、同じミンダナオ島でも、ダバオという町はフィリピンでも1,2を争う治安の良い街とされてきました。そのダバオ市の市長をしていたのが、何を隠そう現大統領であるドゥテルテ氏なのです。その頃の功績が高く評価され、今の大統領の座につけたんですね。

ところで、皆さんはタイという国にはどんな印象をお持ちでしょうか?微笑みの国?バックパッカーの聖地?仏教の国?トムヤンクン?
どれも正解ですし、ある程度のイメージはもっている方が多い、皆さんにとっても身近な国だと思います。

しかし、タイの深南部で、現在凄惨なテロ事件が続発していることはご存知でしょうか?
2004年から16000件を超えるテロが発生しており、このテロによる犠牲者は6700人以上にのぼります。

これはタイの深南部に追いやられたムスリムの人々が、タイからの独立を掲げて過激化しているそうで、テロリストグループがテロを起こし続けているのです。ところが、こんな大事件が起こっているのに、メディアはあまり報道しません。

観光客は減るどころか増加の一途を辿り、2016年にタイを訪れた観光客は3200万人に達し、前年2015年の2988万人を7%超上回る状況だといいます。私もここ数年で何度も何度もバンコクやチェンマイを訪れていますが、そういった都市部では平和そのものですので、あるきっかけでこの事件を知るまでは、テロのテの字すら感じませんでした。

世界の国々の「テロの脅威」を示すマップ
d-maps3出展:http://buzz-plus.com/article/2016/07/05/degree-of-risk/
“色が薄いほどテロの危険性が低く、色が濃いほどテロの危険性が高い。つまり薄い黄色はテロの危険性は低く、濃い赤はテロの危険性が高い”ということです。フィリピンもタイも真っ赤っ赤ですね。

つまりフィリピンでもタイでも、これらのテロの惨状は、局地的に大変なことにはなっているものの、安全なエリアではなんにも変わらない平和な生活ですよ、ということなんです。フィリピンのテロに関しては、何も今に始まったことではなく、フィリピンという国で戦後から潜在的に起こり続けている事案であり、今まで通りきちんと危険情報を確認し、渡航エリア、行動範囲を限定し、一般的な防御策を取っていれば、観光や留学には全く影響がないと思われます。

ましてや、フィリピン留学で滞在する学校や寮は、高い塀に囲まれた、24時間体制の厳重な警備に守られている場所がほとんどです。学校内にいる限り、これらの危険に遭う可能性はゼロに等しいでしょう。ショッピングモールや地方への旅行をされる場合は少し注意が必要ですが、いつ起こるかわからないテロを怖がりすぎるのも考えものです。

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なお、フィリピンの安全に関する記事はこちらもご参考にどうぞ
>>なんと!フィリピン・セブの治安は良い?

悲しい話ですが、今やテロはパリやロンドンといった大都市でさえ起こってしまう時代になってしまいました。
それがセンセーショナルにニュースやネットで報じられる為、「ああ、海外は危ないんだな」「海外旅行に行こうと思ってたけど、国内旅行にしておこう」「語学留学をキャンセルして自習することにしよう」と考える方も多いのが現実です。

日本は安全です。それはどう少なく見積もっても、誰がどう言おうと、日本は安全なのです、そう他の国に比べれば。

ですが、今日本人がようやく真の国際人になろうとする人が増えてきて、その第一歩として英語の語学力を伸ばす為に選ばれている「フィリピン語学留学」を、こういったテロ事件だけを理由に諦めてしまう選択肢は果たして正しいと言えるのでしょうか?

フィリピン・セブ島からのメッセージ

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私は、フィリピンに移住してすでに5年という歳月が経ちました。その生活はいたって平和そのもので、そこに住む人々の温かい笑顔とゆるやかな空気感が好きで、すっかりはまってしまった人間の1人であります。フィリピンで第一子を授かり、今では2歳半になった息子は元気に幼稚園に通って、社交性とともに英語もまた必死に勉強して、毎日楽しそうに帰宅してきます。

こんな生活の、このセブの町の、一体どこにそんなおどろおどろしいテロ事件が存在するのでしょう?

現地で住む私たちからすると、今回のマラウイ市占拠事件を原因にフィリピンへの旅行や留学を諦めるなど、とんでもないナンセンス!笑い話で滑稽にすら感じるほどです。町ゆく人たちも、講師も、生徒さんも、観光客のみなさんも、みんな海のレジャーや食事、夜遊びですらいつもと何も変わらず、「普通に」楽しみ、毎日を楽しく過ごされています。フィリピンのテロ警戒レベルは「日常レベル」です、住んでいる私たちの実感としてそんな感じです。

一部のブロガーやメディアが、盛んに「フィリピンはこんなに危険だよ」「テロ起こるからやめときな」「銃社会で毎日死者出てるよ」と煽りますが、現地に住む私たちからすると風評被害でしかないし、なにより渡航を諦めた人にとっては甚大な機会損失です!!本当に止めていただきたい。

こんな時代に、渋谷のスクランブル交差点で明日テロが起こる可能性は、一体誰が否定できるでしょう。
テロじゃなくても、秋葉原殺傷事件のような「誰でも良いから殺したかった」なんていうわけのわからない猟奇的殺人が起こるのも日本です。

日本にいれば安心?本当にそうでしょうか?
今、海外に出たいと思ったあなたの大切な一歩を、本当に止めてしまっていいのでしょうか?

私たちには、フィリピンに限らず、世界一周の旅を通じて、世界の絶景を見たり、世界の人たちの喜怒哀楽をこの目で見てきた経験があります。それは、私の人生を鮮やかに彩り、今後の人生の歩みを大きく変えた、そんな自分にとっての大事件でもありました。そういったかけがえのない海外経験を、少しでも感受性の豊かな若いうちに、一人でも多くの方に出ていって欲しいという思いで、私たちは今は留学エージェントという形で皆さんのお手伝いさせていただいています。

せっかく得たチャンスを、内側から湧いてきた留学への好奇心を、どうかこんなくだらない事件で摘み取らないであげてください・・・あなた自身のために。今こそ、一歩踏み出す勇気を持って下さい!でもあなたがもしセブ島やバギオ、クラークに来ようと思っているのなら、そんなに気構える必要は全くないということを、現地からお伝えしておきます

もちろん一歩海外に出れば、自分の身は誰も守ってくれません。自分の身は自分で守るために、しっかり情報収集はしてくださいね。
私たちも情報の提供など、お手伝いできる限りの事はいたします。

まとめ

結局テロというのは、一体いつどこで起こるかわからないからテロなわけで、誰にも予想はつきません。
しかし、フィリピンでは以前からミンダナオ島で独立を目指すテロリスト・グループが多数存在しており、今回なぜこういった大きい動きになったかと言うと、ISが弱体化し、主な活動場所としていた中東地域で生きていけなくなったため、新たな活動場所を模索している中、たまたまこのミンダナオ島に照準を絞ったというだけの話です。

実際に相当数のテロリスト実行部隊が国軍によって殺害されていますし、そんな中このグループ内での内紛も起こっているそうですので、マラウイ地区でのこの事件に限って言えば、制圧は間もなくなのではという気はしています。

しかし、この「制圧」というのは、テロリストが完全にいなくなる事を指しているわけではなく、今後もテロリストとの対話やテロとの戦いは恐らく世界中で長きに渡って続いていくものだと思われます。どうかドゥテルテ大統領のバンサモロ基本法法案の効果が功を奏して、ミンダナオ島のテロリストをめぐる状況が良い方向に向かっていくよう、祈るしかありません。

おもしろいデータ

最後におもしろいデータをひとつ。海外でテロに遭遇する確率(ケガどころか、ただ足止めをくらう程度の影響も含む)は、認知症高齢者ドライバーに日本国内で轢かれてケガをする可能性の方が高いというデーターを算出した方もいらっしゃいます。

テロが怖くて海外旅行にいけなーいなら、近所のコンビニまで買い物に行く方がよほど危険

という確率計算をはじき出していますので、是非ご覧になってみてください。

More Access! More Fun!永江一石のITマーケティング日記
テロが怖くて海外に行かないなら、日本でコンビニに行かないほうが良いかもね

参考文献:
BLOGOS
http://blogos.com/article/225582/
NPO法人「南国暮らしの会」
http://www.minaminokai.com/